With コロナを生きる学生の皆さんへ
Online class for YOUPLID at Aoyama Gakuin University

(2020.09.15)

今年も、青山学院大学で「エシカル、サスティナブル」についてお話しさせて頂きましたが、コロナの影響でオンライン講義となりました。

キラキラと目を輝かせた学生の表情を見ながらライブで、そこにある空気や熱気も含めて、コミュニケーションすることが楽しみで仕方ないので不安しかありませんでしたがオンライン講義ならではの、気づきもありました。

学生たちに、エシカルやサスティナブルもとっても大事だけれど、いま他の人の心を温める精神的、経済的な余裕がないのであれば、自分の心に水をやる時間、その成長にあててほしい、というお話をしました。それくらい、学生たちも、コロナで疲弊しているんではないかと思ったのです。

オンライン講義、SNS、アルバイト、ゲーム、コンビニ、毎日のルーティンの中に「自分のエシカル時間」を一つ、取り入れてほしい、と話しました。

家族に手紙を書くもよし、花を育てるもよし

すると学生から、「私は、夜寝る前に、ぼうっと将来のことを考えたりします」「寝る前は携帯から離れて、大好きな洋楽を聴いて、自分の気持ちを落ち着かせます」「毎日コロナのニュースだらけで不安になります」

という反応が。なぜか夜寝る前の話が多く彼らが人知れず抱いている不安という感情もすごく感じました。
それをきいて、なぜかものすごく涙腺が緩んだんです。母性が反応したのかもしれないし、彼らの明るく振舞う声に、グッときたのかもしれない。

20歳といえば、私ならフランスだの演劇だの留学もして旅して、色んな国籍の友達と交流して、やりたい放題だったわけです。
お小遣いはないけど、長いバゲットとチーズで毎日を食いつないでそれが、とっても楽しかった。

そんな青春を半年絶たれた彼らは、モヤモヤとした不安を、心の底に抱えながらそれでもこうやって実質的な交流なんてできない今、「国際交流」に関する授業に参加している。そう考えると、込み上げてくるものがありました。

人間って、何かに挫折したり、断絶されたりすると余計にそれを渇望しそれを突破しようとします。おいしいトマトもそうですが、生命力とか、人への優しさって、そこから芽生えてくるような気がします。


その時、時間が足りなくて話せなかったのですが私の最近のエシカルタイムは、梅干し作りでした。
梅雨や夜露の意味を知ることができる、梅干しづくり。本当に奥が深いのです。梅雨という言葉も、梅が熟す頃をさすから、梅雨という名前ですし、今の時代、和歌に出てくる「夜露」なんて感じることはとっても難しいのですが、梅干しを作ると「3日3晩、夜露にさらす」というフェーズが出てくるのです。
夜露にあてて、次の朝に梅干しをふと触ると、シットリ、キラキラしているんですよね。
すべてが季節や自然の力に委ねられていて、作る過程の一つ一つが、理にかなっていて美しい。いつか学生さんたちとやってみたいことの一つです。

娘との朝ごはん。自家製梅干しのおにぎり、カレー豚味噌おにぎり、中には黄身の醤油漬け。カレー豚味噌はとっても美味しかったので、レシピにもUP予定です。

梅の実が熟すように、彼らの5年後が、旨味のある人生になっていますように!
Youplidの皆さま、杉原たみさん、今年も貴重な機会をありがとうございました。

去年2019年の講義の様子