子どもにやさしい国、お年寄りにやさしい国

(2014.07.30)
日本とインドを行き来していていつも思うのは、
色々な意味で、こんなにも真逆(磁石のSとN)のような国はないなあ、ということです。

この間インドカルカッタの街を歩いていると、わんぱくな子どもが道路でボールを蹴ったり
していて、それを本気で叱っている親らしき人がいました。
「ものすごく怒ってるな、教育熱心なんだな。」と何気なく見ていたら、
その横からまた大人が出て来て、一緒になって子どもに叱るのです。

どうやら、ひとりは親でひとりは通りがかりの他人、タダのオッサンだったのです・・・笑
他人と親が一緒になって子どもを叱る、この光景は今の日本ではありえないと思いました。

日本では、新幹線の中で赤ちゃんや子どもがわめくと、本当に冷たい眼差しを周りの人が
母親に向かって、投げかけることがあります。時には「うるさい!」と怒鳴られることも。
私も何度も、この光景を見たことがあります。

インドはというと、さすが20歳以下が40%の国。電車や駅、ホテルまで子どもと赤ちゃんで
ぎゅうぎゅうづめ。何百人もの子どもがいるので「うるさい!」という言葉もでてきません。
むしろ、他人が他人の子どもをあやし、お母さんの手伝いをするのが当たり前。

わたしの義母の言葉がとても印象に残っています。
義母がNYに行った時のこと。レストランに外で並んで待っていると、ある若い母親が
泣きわめいている自分の赤ちゃんを外に連れて出したのだそうです。
義母が、「どうしたの?」と言って、その母親の代わりにあやしてあげていると、
その母親が「ごめんなさい、うるさくって。」と謝ったのだそうです。
義母は「いいえ、この子はまさにするべきことを、しているだけなんですよ。」
と言ったのだそうです。そうすると、その母親はワンワンと泣き出したのだそう。

日本の、高齢者に対する意識の高さは、目をみはるものがあります。
祖母がいるデイケアーセンターを訪れても、スタッフのみなさんが信頼できますし
手際も素晴らしい。街を歩いていても、お風呂やバスひとつにしても高齢者側に立ったサービスが
工夫されています。シニア市場が完成されています。
少子化に突き当たるであろう、アジア諸国にとっては日本のシニアに対するビジネス、サービス、
モラル、学ぶべきものが沢山出て来るだろうと思います。

少子化に悩む日本がもし本当に少子化を脱出したいのであれば、世の中になんとなくうずまく「他人の子どもはうるさい」という意識を捨てるところから始まる気がしています。

まさに若齢国インドに存在する「国民全員子育て」が、小さなヒントになるかも・・・ですね!